
漢方とは
症状に対処するのではなく、
心身の根本から整えていくこと。
漢方とは、奈良時代に伝来した古代中国医学をもとに、日本の気候や風土に影響を受けながら独自に発展してきた医学の考え方です。
漢方=漢方薬と考えられがちですが、漢方薬だけではなく、養生・整体・薬膳・鍼灸などを含んだ広い意味を指します。
個々の症状に対処する西洋医学とは違い、漢方は人に主体を置いてからだ全体のバランスを根本から正すことを目指します。
そのため、漢方は未病と呼ばれる「病気にはなっていないが調子が良くない」状態にもアプローチできる点が特長です。
気になっている悩みを改善しようと漢方薬をつづけている中で、他の悩みが改善されるといったことも、漢方ならではといえます。

より良い状態へ
整える生活を、
習慣に。
健康は、生活習慣から
整えることが大切。
漢方の考え方として、薬より重要なのが「養生」です。養生とは、「生を養う」と表す通り、自分の状態を見つめ、本来あるべき健康な状態を自分で維持していくという考え方です。
「食事」「休養」「運動」「ストレスケア」といったことを、日々の生活の中でより良くしていきながら、自らに備わっている生命力、自然治癒力を高めていくこと。
漢方薬をつづけるとともに、自らの生活習慣とも向き合い、生活そのものをより良い状態に整えていくことが、根本からの体質改善を目指す漢方ではとても大切になってきます。
わたし漢方では、
こうした漢方の考え方に基づき、
漢方薬のお届けだけでなく
日々の生活に関する相談対応や
情報発信などを行っています。
いい状態とは、
「気血水」のバランスが整った状態。
漢方では、人間のからだは「気血水」の要素から構成されると考えられています。
この3つがバランスよく巡ることで健康が維持されます。逆に3つの要素のバランスが崩れると身体に不調となって現れるため、心身の状態を図る目安にもなります。
気
身体や心を動かす
生命エネルギー
- 気虚(ききょ)
- 気が不足している状態。疲れや無気力を感じやすくなったり、胃腸の機能が落ちて食欲低下を招いたりします。
- 気滞(きたい)
- 気の巡りが悪くなっている状態。イライラや不安感、不眠といった症状が現れます。
血
からだ全体に栄養や
うるおいを運ぶ、血液
- 血虚(けっきょ)
- 血が不足している状態。貧血、生理不順のほか、立ち眩みや肌の乾燥なども発症しやすくなります。
- 瘀血(おけつ)
- 血の流れが滞っている状態。強い生理痛や血塊、頭痛、シミなどにつながります。
水
からだ全体に水分を充実させる、
血液以外の体液
- 水滞(すいたい)
- 水の巡りが悪い状態。むくみや冷え性、めまいなどを引き起こすほか、過剰な水分が溜まることで関節痛を起こすこともあります。
心身の健康を維持するために、
欠かせない生理機能。
漢方では、自然の要素を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分けて考えます。これらが互いに助け合ったり、抑制し合ったりすることで自然界のバランスを保っているというのが「五行説」という考え方です。そして人もまた自然界の一部と捉え、人体の働きを五行説にあてはめたものを五臓といいます。
五臓:肝(かん)・心(しん)・
脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)
五臓は、西洋医学で考える臓器と同じではなく、それぞれの働きをつかさどる臓器を広くとらえています。
五臓がバランスよく働くことで、心身ともに健康な状態が維持できるとされています。
- 肝
- 気を巡らせて、血を蓄えます。自律神経や感情のバランスを整える役割も持ちます。
- 心
- 血を巡らせて、精神をコントロールします。からだ全体を統括する役割も担います。
- 脾
- 食べ物の消化吸収を通して気血を作り出します。
- 肺
- 呼吸を調節して、気や水を全身に行き渡らせます。皮膚や免疫機能、水分代謝などとも関係します。
- 腎
- 水分代謝の働きを担うほか、成長・発育・生殖を保つ生命エネルギー(腎精)とも関わります。
LINEでの体質チェックやその結果を踏まえた
最適な漢方薬の提案なども、
こうした漢方の考え方に基づいて
行っています。